東アジアの隣国とは、中国と韓国であります。両国とも原子力大国であります。
そのレベル5以上の事故の確率を概算するからといって、別に差別するわけではない。日本は「先進国」だから、福島第一原発事故を起こしているわけだし、INESレベル7の事故なので、チェルノブイリ原発事故並みなのだ。
Wiki『原子力事故の一覧』を基礎資料にして、原発の一年あたりの事故率を計算してみよう。かなりの近似的な見積もりであります。
そのリストで INES=国際原子力事象評価尺度5以上を拾い出す。
1)1979年3月28日 スリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ合衆国、ペンシルベニア州)/INESレベル5
2)1986年4月26日 チェルノブイリ原子力発電所事故(ソ連(現ウクライナ)、キエフ州)/INESレベル7
3)1987年9月 ゴイアニア被曝事故(ブラジル、ゴイアニア市)/INESレベル5
4)2005年4月19日 セラフィールド再処理施設、放射性物質漏洩(イギリス、セラフィールド)/INESレベル5
5)2011年3月11日 福島第一原子力発電所事故(日本、福島県)/INESレベル7
INESスケールが適用できる1970年から2020年まで、レヴェル5以上が5件の重大事故が起きている。50年間の間に全原発の延べの稼働時間をフェルミ推定しよう。
19070年当初に100基(推定値)の原発があり、2020年には480基(実数値)だとしよう。その100基はすべて現存稼働しているとする仮定をおく。
原発の稼働延べ年数=(100+480)×50年/2=14500年
したがって、一年当たりの事故率 p=5件/14500年=1/2900 件/年 となる。
中国の原発地図を見よう。
いずれも外洋に面しており、大規模事故ならば、日本にも影響するのはわかろう。
古いかもしれないが、そのリストはこうだ。計41基ある。
さて、お隣の韓国はどうであろう。
数基が黄海側であるが、大半は日本海側である。距離は中国より近いので大事故の日本への影響も大きいだろう。 38基の原子炉があるようだ。
ここで、41基+38基の合わせて79基の原発が一年に重大事故(レベル5以上)を起こす確率を概算しよう。78件のうち1件以上の事項発生確率の計算は単純な二項分布であるけれど、ここは下式になるだろう。
式の第二項は1年間無事故の確率だ。それを1から引けば事故る確率(1基以上が事故る確率)である。
あとは、p=1/2900を入れて計算すればいい。
答えは、 0.0268 となる。各一年に事故を起こす確率だ。
案外、大きいではないかと思います。