2022-01-01から1年間の記事一覧
諏訪湖は地元の人びとが語るように「日本のヘソ」、つまり、中心点だ。 なぜなら、中央構造線と糸魚川-静岡構造線(ファオッサマグナ)の交差上に位置しているからだ。 思い起こすのはギリシアのデルフォイだ。そこにはアポロンの神殿があって、古代ギリシ…
そこは黙示的戦区であった これが忘れかけていた珠玉のSF名編の始まりの文。なるほど時間もののSFは映画やアニメなどあらゆるコンテンツに登場するようになった。『君の名は。』のようなロマンチックな名編もいいだろう。 けれど、この『旅人の憩い』のよう…
今から70年前というと20世紀の真ん中あたりだが、そのころ日本でも公害とか大気汚染などがマスメディアを賑わすようになっていた。四日市ぜんそくとか、水俣病とかのホットだった年代だ。 実は原因すら工場の排気ガスや廃水にあるとは確定されていなかった。…
先進国、とくにアメリカの停滞が典型的なのだが、その科学技術の現状は嘆かわしいという往年のハードSFファンは多い。自分が真っ先にそうだ。 だいたい、AIや量子コンピュータやら5Gなど情報通信技術がやたらにもてはやされるのが疎ましい。しょせんは電子…
あまり人気のない問い。それはAIが人間に理解可能か、あるいは人間のように考えることができるのか、という問いだ。もちろんチューリングテストなる一つの合格基準がある。 だが、サールの中国人の部屋のような問いかけにはチューリングテストは十分とはいえ…
アメリカと中国と2021年人口が公表されている。両方とも歴史的な数字となった。 昨年7月の数値でアメリカの人口増加率は0.1%だったというのがJETROの記事だ。 www.jetro.go.jp 過去最低の数字という文章が躍る。 一方、アメリカをどんどん追い上げていくはず…
アメリカのSF作家ケン・リュウなどの活躍によって、中国SFは一挙に紹介された。そして、近年に一斉に開花した中国のSFは終焉を迎えている。2022年の年初の予想である。 どうして、そうなるかを説明しよう。 もちろん、わが国でも昨年に劉慈欣の『三体』の邦…
この議論の基盤にややSF的な発想がある。 かつては惑星への移住や宇宙コロニーの建設、あるいは太陽系外への人類の進出などがリアルなテーマであった。地球に人類が足止めされる限り、人口は飽和しつつ資源を使い尽くし、じり貧になるというマルサス的な思考…
アメリカの人種差別は根深い。その根元の一つに優生学がある。 1927年のヒット映画『Are You Fit to Merry?』は『The Black Stork』(1917)のリメイク版なのだそうだが、恐るべきストーリーだ。 主人公の医師がアメリカから障害のある子どもを駆除する。生ま…
ナッシュとはいわゆる『ビューティフル・マインド』の主人公といえば通りがいい。 映画もそうだが、このアメリカ人数学者の生涯というのは、劇的だった。映画に描かれていない部分としては、30歳での統合失調症の発病後、1963年のアリシアとの離婚があった。…