サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

アレバ社の核リサイクル施設

 原子力先進国フランスの虎の子企業「AREVA」は日本でも存在感が増しました。
世界最大の原子力複合企業です。日本にも「あれば」いいとギャグってるのはわたくし一人でしょう。
 核廃棄物の再処理ができるのはイギリス、日本、フランスの三国です。質量ともにピカイチがどうやら、フランスで御座います。

 核廃棄物から捨てるものとリサイクルするものとに分別回収する最大の施設がここです。最新鋭のラ・アーグ再処理施設です。
http://www.areva.com/EN/operations-1118/areva-la-hague-recycling-used-fuel.html?xtmc=&xtcr=94?xtmc=La Hague&xtcr=1


 ここは、世界58ヶ国から核廃棄物を受け入れ、6000人が働いているそうです。
 ただ、一部のレポートによれば、汚染水をドーバー海峡に垂れ流し、発煙物にはたくさんの放射性物質が含まれているとの指摘があります。同じことをしているのが日本だけでなくて安心です(皮肉とも共感ともなんとも言えない複雑な思いです)。
 大量に発生する余った処理物はロシアの貯蔵サイトに陸路・鉄道で運搬しているそうです。結局、どこかが引き受けないとダメなんですね。

施設の解像度が低いのでこちらが工場らしい。名称が地図で表示されないのですが、上のWEBからは工場とイメージが合います。なぜか航空写真を拡大しても建物の輪郭ぼやけてます*1

より大きな地図で Areva NC 核リサイクル施設 を表示

Arevaのラ・アーグのオフィス(お隣りの工場地域より解像度が高いです。)

大きな地図で見る


 フランスの技術テクノクラートはとても優秀なのですが、軍事・原子力などを完全に掌中のものにしているとの批判もあるようです。原子力行政に関して、まったく逆を行くドイツと対照的ですね。


【追記】 
 週刊東洋経済(2011/06)の記事には技術にやや不安を感じますね。

六ヶ所再処理工場は仏コジェマ(現アレバ)のUP3工場をモデルに着工されることが決まった。しかし、フランスからの技術移転は必ずしも円滑ではなく、建設費は当初の6900億円から3倍にも膨れ上がっている。

 これはアレバとは関係ないらしいが、チェルノブイリ跡地で建築された核廃棄物保管倉庫はフランスの担当だったが、まったく使い物にならなず野ざらし化しているとドキュメンタリーで奉じているのを見た。

*1:やはり機密性が高いのでボヤかしている?