サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2013-01-01から1年間の記事一覧

鼻くそほじり考

鼻くそほじりについて、考えてみた。 久しぶりにホジホジすると大物が発掘される。それを抜き出すと「鼻のコリが抜ける」気がする。鼻腔に無理がかかっていたのだなあとつくづく感じるのである。 このような爽快さを扱う学芸がないものかと調べてみた。 自ず…

西ヨーロッパの地震

多くの人はヨーロッパでは大地震がないと思っている。気の利いた人なら、イタリアは例外だろうと即座に指摘するだろう。火山国なので地震はつきものだからだ。 よほどの好事家でないとリスボン大地震を思い起こせる人はいないであろう。 時は、1755年1…

暑い顔は万国共通?

猛暑が続く。 ニュースで流す映像はきまって街をゆく人たちの暑さにウンザリした表情だ。 目を細めて眉間にシワを寄せ、口唇線を際立たせながら不快そうな表情になるのが列島の人びとだ。 この顔つきは万国共通なのであろうか? 北欧人はどうなのだろうか? …

ドイツはアジアンを蔑視する

「世界に冠たるドイツ Deutschland über alles」とは、ドイツ人の意気を語って余りある。 この言葉を思い出したのは8月17日のNEWSを読んだ時だ。 ドイツ人は欧米以外を認めない!? 「世界一嫌韓」「アジア・南米・アフリカに悪印象」とBBCの調査結果 嫌韓だけ…

人類の敵か味方か? 自動機械の二つの方向

先ごろ、筑波大学発のロボットベンチャー企業が「HAL」を福祉介助に展開するドイツでの起業家を発表した。 福祉に向けて先端技術を投入するというのは、感動する。とくに、アメリカ軍が「無人ロボット兵器」で「テロ殲滅」の名のもとにイラクやアフガニスタ…

蘭学の濫觴

緒方洪庵の適塾は日本の近代医学の発祥の地と言っても過言ではないだろう。洪庵は蘭学に秀でていただけではない。漢方も学び、両方のよいところを持って施療していた。 種痘も独力で進めるなど民衆に対する疫学対策をも進めていた。つまり、先端研究と民衆へ…

放屁とフェミニズム

過激なフェミニズム論者の女性といえども人前での男性族における人前での放屁の是非については黙して語らない。とくに家庭における放屁の男性の特権については政治問題でも人権問題でもないと信じ込んでいる。 さりながら、この放屁活動の差異こそは男性優位…

メタンハイドレートは資源か

石井 吉徳氏の『海洋資源大国は「幻」 質を見ねば国を誤る』について私見を開陳しておく。 濃縮性がない深海のメタンハイドレートについてはエネルギー収支上からして、マイナスになる可能性が高いとする、石井氏の所論は概ねそれはありうると思われる。 だ…

ゴキブリでなくてゴキブー

ゴキブリは余りに風情がないので嫌われものだが、メキシコではそうでもないらしい。 ラ・クカラチャと現地ではいうが、どうも「ゴキブー」みたいな〜語感だ。 現に、妙に気楽なサウンドが現地にはある。 ゴキブリについての逆説的偏愛の書というほどでもない…

カオス理論と統計学

経済学や気象学など多数の原因が入り混じりながらマクロに運動するシステムでは、学説やモデルの検証という場合に、統計的仮説検定を用いることが多い。観測値をためてそれにモデルがどの程度あてはまるかを検定するのだ。定量的検証にはお定まりのやり方で…

梟雄エジソン

エジソンを、純粋無垢なエンジニアと考えてはならない。実のところ、なかなか食えないビジネスマンであり、その精神はGEに引き継がれている。つまり、技術的創造の精神と飽くなき利潤追求の精神とがである。1300もの発明をものした大物だが、それに加…

死のエソロジー

「食うて産んで死ぬ」ものと明治時代の進化論者丘浅次郎は生物を定義した。 ここでの問題提起は死の動物行動学がなにゆえに無いのか? であります。 食うて産んで死ぬ生物の研究が完全になるには「死」の生物学があらねばならぬ 捕食されて他の食物となる、…

敵性言語かつ適正言語 英語

太平洋戦争中には英語は敵性言語とされ公用語での英語由来の文字はすべて「ヤマト言葉」に書き換えられた。 「パーマ」を「電髪」としたたぐいだ。あいにくと両方ともに死語だけど。 しかし、ヤマト言葉は英語に敗北するのは避けられないと思われる。思考の…

フーコーの振り子

ウンベルト・エーコの怪作『フーコー振り子』や上野の旧科学博物館のフーコーの振り子を思い浮かべる人は、相当の科学ファンであります。 ミシェル・フーコーではなくレオン・フーコーをここで取り上げるのは、ちょっとしたアナクロニズムを愉しみたいからで…

恋する熱中症

天気の暑さを忘れるにはじぶんの熱さを保つことだろうか?

われ、温暖化に適応せり

猛烈に熱い。蒸し風呂デ〜の連続が始まった。例により日本人は天に向かって文句をいうこともなく自然界に恭順しています。 そうはいってもやはり何とかせねばということで無い知恵を絞ってみました。 地球温暖化のヒートウェーブに対して個体としてどのよう…

Flow my tears

ディックの名編のタイトル『流れよわが涙と警官はいった』 ジョン・ダウランドのリュート歌曲に由来する作品で、現代文明の底知れぬ現存在の希薄化をニヒルに描いた。 流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)作者: フィリップ・K・ディック,友枝康子…

白頭山の火口

梅棹忠夫によれば白頭山の火口は実にこの世のものならぬ光景であったという。戦前のことだ。今日の我等にはなかなかにいける場所ではない。 GoogleMapで山頂にジャンプしてみよう。 うむ、確かに、火口湖がある。天池(ティエンチ)いうが、眺めは壮麗である…

複数の東北地方の火山が部分的に5〜15センチ沈み込み

「複数の東北地方の火山が部分的に5〜15センチ沈み込み」 本日のニュースはちょっと希望をあたえる。すなわち昨年までに大地震後に大噴火が来ると火山学者が警告を出したものだが、その危険は遠のいて行く感があるからだ。 火山の直下のマグマ溜まりが押…

細菌の人類包囲網

前回インフルエンザを擬人化したしたが、今回は細菌の計算論的生存競争という観点で扱う。 抗生物質は細菌から抽出される。抗生物質は細菌が生き残るために編み出した化学兵器なのだ。細菌の武器は他の細菌により克服される。 それは取りも直さず、万能な抗…

データ・サイエンティフィック・ジャーナリズム

話題のデータ・ジャーナリズムとの違いをまとめてみる。 データ・サイエンティフィック・ジャーナリズムは仮説検証型のジャーナリズムである。 「いま、ここで、生起しつつ有る」ことへの仮説が、それも現実に切り込む鋭利な仮説が データ・サイエンティフィ…

ロボット・ダンス

蛯名健一は小柄なボディを完璧なまでに制御しまくっている。ロボット化した身体だ。 さらにこのパフォーマンスは完全にプログラムされている。音楽に合わせるというよりは、動作が音の一つ一つに同期していると言いたくなる。音楽・効果音とのシンクロナイズ…

象さんをめぐる物語

世界の野生の象の減少は止まらない。アフリカ象も例外ならずだ。 棲息地域の縮小、これは砂漠化や開発などに伴う。それに加えて密猟だ。 これは許し難い! そう憤るのは簡単だ。 これら両方の片棒担ぎをしているのが先進国だ。砂漠化や開発などは先進国から…

リゲティのブッディズム的サウンド

ジョルジュ・リゲティで馴染み深いのは『2001年宇宙の旅』での「アトモスフェール」だが、「ルクス・エテルナ」のアナモルフォシスな響きもそれに通じるものがある。 ていうか、よりメディテーショナルなディメンジョンでサウンドクラスターをディスパッ…

継ぐのはマシンインテリジェンスだ

表題の小松左京の小説ではないが、技術的シンギュラリティ=オメガポイントによる地球の温暖化防止策として、ネット上の「超知性」の現出待望論を記した。 しかし、いまのところネット上の計算能力は分散しているとの反論があって、対策の必要性を認めざるを…

特異点による環境問題の解決

特異点とは技術的シンギュラリティのこと。地球で支配的な種である人類は、どうやら自律性と持続性を喪失してきており、このままだと地球まるごと熱的死を迎える可能性が高い。 そうなるとデウス・エクス・マキナではないが、外部からの介入により熱死を回避…

アルキメデスの見出された遺産

アルキメデスのストマキオンは20世紀初頭に一回発見され、そして 1998年に再度、オークションに出品された。 注目すべきは、「230万ドル」で落札された「古代の科学」がSLAC(スタンフォード大の線形加速器)で精密に再生・解読された、その物語だ…

イグ・ノーベル賞のネタ

『テルマエ・ロマエ』の「平たい顔の種族」を読んで思いついた。 民主化すると平民の鼻が高くなるという仮説を確かめるのだ。 これは確からしいし、アメリカ人に受けるネタだと思うのだ。

クリンゴン語

クリンゴン語はスター・トレックの定番の異星語であるが、言語学者のマーク・オクランドが人工言語にしたてた。 この極めて戦闘的かつ積極的な完全言語を学びたいという人は少なくないであろう! 実際に歌ってみよう! HIchop! - Klingon Kiss Me クリンゴン…

佐賀藩の蒸気機関と日本最初の要塞

黒船のペルリが幕末の夢を破って開国を迫った。その時の「文明」のシンボルとして江戸幕府に蒸気機関車のモデルを提供したのは、よく知られている。 ところが数年を得ずして九州の一藩が同じ物を見よう見まねで作り上げたことまでは、ペルリ提督も知らなんだ…